2 トライアングル

7/10
前へ
/52ページ
次へ
「何その反応?無理だと思ってるでしょ。女子大に可愛い子いたら紹介しようか?」 「いらねぇ。直樹は?」 「俺もいらない」 「な、なんでよ。二人ともちょっとおかしいんじゃない?もしかして、ホモ?」 二人を交互に指差しながら言うと、一瞬口をつぐむから焦ってしまった。 「え、まじかー…そうだったんだ。あ、大丈夫。私偏見とかないからね」 「やめろ。冗談でもやめろ」 「うーん、大輔は無理だな」 直樹が大輔を品定めするように言うと、大輔は身震いをした。 「おいおい誰ならいいんだよー」 「え、それやきもち?」 「香織。まじでやめろって」 「あははは」 ふざけた話ならいくらでもできるのに、誰も核心には触れない。 二月の終わりに有名大学に合格した直樹のお祝いをした日が、友達として三人で過ごした最後の日になった。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加