2 トライアングル

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そして高校の卒業式を迎えたその日。 私たちのバランスが崩れた。 三人での帰り道、いつもの公園へ立ち寄った。 大きな公園で、夏場に子供が遊べるくらいの小さな池があった。 その池の前のベンチが私達のいつもの場所。 二人の制服のボタンが全部なくなっていたことをからかって 「誰にあげたの?」と聞くと「欲しいって言って来た人」という答えが。 「でも一番大事なものはあげてないよ」と直樹が言うと、「俺も」と大輔が言う。 二人は立ち上がると手にボタンを一つずつ握って、私の前に差し出した。 もしかして、それは第二ボタン…ってやつでしょうか。 「なにこれ。ねるとん?」 とテレビの人気番組を真似しているのかとからかうと、真剣な顔で 「受け取って」 と言う。 「うん!」 と両手を出して両方もらおうとすると 「どっちか片方だけだ」 と大輔が言った。 ぽかんとする私に直樹が口を開いた。
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