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「香織。一つだけ約束して欲しいんだ」
「なに?」
「これから先、もしも俺に何かあったら…その時は大輔を頼って欲しい」
「え?!」
突然出てきた名前に驚きの声が上がる。
「やだ。急にどうしたの?まだそんな年じゃないでしょ?それともこの前の検診でどこか引っかかった?」
「いや、そうじゃないけど人間何が起こるかわからないし。香織を託せるのは大輔しかいない」
「どういうこと?」
「最近思うんだよ。あいつ、今でも独身だろ。やっぱりあいつには香織しかいなかったんじゃないかって」
「そんなわけないじゃない。大輔と私はただの幼馴染。私が先に直樹を好きになったんだよ」
「いや、それは違う。先に香織を好きになったのは俺だよ。初めて会った時の事を覚えてる?」
「初めて…は高校の入学式だっけ?」
「違うよ。その何日か前。大輔の部屋にいたら、制服姿を見せに来た香織が突然部屋に飛び込んで来たんだ」
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