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ランドマークの地下に出来たおしゃれなカフェバーで、ワインを飲みながら軽く食事をした。3歳からの人生のほとんどを一緒に過ごした私たちなので、話題には事欠かない。
お互い年を取ったなぁと、最後はそこに行きつくのが常だった。
「直樹はどうせ『香織は全然変わってないよ』とか言ったんだろうな」
「なんでわかったの?」
「そりゃわかるよ。あいつは王子様だからさ。ちゃんと本気で言ってるから安心しろ」
「わかってる。さすがに私もくすぐったかったよ。だって自分が一番わかっていることだから」
「俺だって香織は今でも若くて綺麗だと思ってるよ」
「うわー、いいよ、大輔は無理しなくて」
「無理何てしてないけど。年を重ねた美しさってやつがあるだろう?アンティークとかさ」
「アンティークの定義は百年以上だからね。せめてビンテージぐらいにしておいてよ」
「ビンテージか。ちょっといい酒みたいだな」
「そうだね。いい具合に渋みが抜けたワインみたい」
それで十分だった。お互いに年を取って角も取れたと思えば何でも楽しい。
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