序文

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序文

僕達が生活しているコンクリート社会の下に存在する巨大なオープンワールド。 それこそがこの世界の全てだ。 基本的には地上と代わり映えがないという噂ばかりだが、街の中心にはスクール施設が無数に存在しているらしく、直径はおよそ60キロメートル。東京都最大の区がすっぽり入ってしまうほどもあったという。しかし周辺の環境は全くといって把握が出来ないというのだから、その広さだけでも想像を絶する。とうてい特定の情報源だけでは内部の全てを知ることはできない。 内部には地底で生活する為のアイテムはもちろん、学歴や地位までもが金銭ひとつで買えるとされている。 地上と地底を繋ぐのは各国の都市にある背の一番高いビルとされており、ここ日本には一箇所のみ。 地底に行く方法は表立っては公開されておらず、それにはそれなりの理由がありそうで、統計的には(*****)をすることで地上と地底とを行き来できるようになるとされている。 このようにして長きにわたり地上と地底では情報的に一方通行とされてきた。 地底の名は《サディズム 》。
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