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「それも、この子のためか？」
「あぁ。薬だと、コントロールできなくなりそうだし。無理そうでも、途中で止めてやれそうにないから、使いたくない」
「へぇ……てことは、この子、まだ処女？」
「お前、そーいうことを口にするな。もう一回首を締めてほしいのか？」
「ハハ、ごめん、ごめん。
この子のこと、そんなに大事なんだな？」
「あぁ。嫌だって言われても、手離してやれそうにない」
「お前、そんな不安そうな表現して、何そんな柄にもないこと言ってんの？ 結婚するんだから、嫌なワケないじゃん。あっ、この子が若いから、若い男に心変わりされたらって、心配してんのかぁ……。さっき、俺を本気で殺めようとしてたくらいだもんなぁ」
「フンッ。あれは医者としての配慮に欠けるお前が悪いんだろ？」
「年上の俺に対するお前の配慮の方が欠けてると思うんだけど？」
「一つ年上ってだけだろ？ 問題ない」
「要、この子の担当医は俺なんだぞ？ そんなこと言ってっと、退院なんてさせないからな～」
「フンッ。じゃぁ、お前の可愛い奥さんの小百合さんに、さっきの若い看護師と口で言えないようなことしてたって言っといてやるから。大事なアレでも綺麗に洗って、その時を待っとくといい。さぞかし綺麗さっぱりメスで削ぎ落としてくれるだろうからなぁ」
「さーせんしたー。勘弁してください、要坊っちゃん！」
「ホルマリン、決定だな？」
「えー、勘弁してくれよー……要ぇ」
麗しの副社長の優しい眼差しに見詰められながら、夢の世界へと旅立ってしまった私には、そんなことなど知る由もなかった。
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