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「……おばあちゃん。こういうとき、どうしたらいいのかなぁ?」
私が泣き止むまでの間、ずっと"よしよし"してくれていた要さんがシャワーを浴びにいき。
寝室でひとりで待ってるのもなんだか落ち着かないから、真向かいの自分の部屋で、おばあちゃんの遺影と遺骨を乗せたテーブル前のラグにちょこんと正座した私が、思わず零した呟きが部屋の静寂に溶けきる前。
「……あれっ!? 美菜ちゃん? こんなとこで何してんの? 速く寝ないと、また要に怒られちゃうだろ? どした、どした? また寂しくなっちゃった?」
入り口のドアがちゃんと閉まっていなかったらしく、ドアの僅かな隙間から、顔をひょっこり覗かせた夏目さんに声をかけられてしまった。
最初は、急に声をかけられてビックリしちゃって、肩をビクッと大袈裟なくらい跳ね上がらせてしまったのだけれど。
要さんはついさっきシャワーに行ったところだし、ちょうどいい機会なので、私は思い切って、夏目さんに気になってしょうがなかったことをぶつけてみることにした。
「……あのう、夏目さん」
「ん……? 何、何? どした? お兄さんに言ってみ?」
夏目さんは、一瞬、驚いたような表情をしたものの、重い口を開くような私の様子から、何か察したのか。
素早く部屋に入ってくると、私の傍に胡座をかいて、いつもの茶化すような軽い口調で先を促してくれている。
この期に及んで、訊くのが怖くなってしまった私が躊躇していると、
「美菜ちゃん、前にも言ったと思うけど。俺は美菜ちゃんのこと、本当の妹みたいに思ってるからさぁ。気になることがあるなら言ってごらん?
要に訊きにくいことなんだろ?
……違う?」
さっきの茶化すような口調から一転、真面目な表情に変わった夏目さんが優しく訊いてくれて。
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