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「要さん? 社長とお会いするとき、どんな服を着ればいいですかね?」
「……ん? あぁ、会長夫婦のときは五月だったから着物にしたんだったな」
「はい」
「……あの後は、確か着物姿の美菜があんまり可愛いもんだから、俺が帰るまで我慢できず、車で可愛がってるうち美菜が気絶して。部屋に帰ってからも、処女の美菜にはずいぶんと無理をさせてしまったんだよなぁ……」
「////」
「着物も捨てがたいが、今は夏だし。それに美菜の体調のこともあるし……。先月デートしたときに買った、あのワンピースがいいんじゃないか? 美菜によく似合ってたし。
……ん? どうした? そんなに真っ赤になって。着物で喘いでいたときのことでも思い出したのか?
なんなら今ここで再現してやろうか?」
「////……けっ、け、け、結構ですっ!」
「ハハハッ、冗談だ。そんなに怒るな。そんなに怒って真っ赤になられたら、益々可愛くて、余計苛めたくなるだろう?
それとも、俺に可愛がってほしくてわざとやってるのか?」
「////」
「言ってるそばから、益々真っ赤になってるじゃないか。そんなに俺に可愛がって欲しいのか?」
「////」
社長とのご対面のことで頭がいっぱいになってしまっている私は、要さんとあれこれ言い合ってるうち、いつもの如く真っ赤にさせられ、気づいたときには、もうすでに会社の駐車場に着いてしまっていた。
ここでようやく私は羞恥から解放されて。
それからは、最上階まで三人一緒にエレベーターで向かい、最上階に到着してからは、要さんは副社長室へ。
私と夏目さんは同じ階の秘書室へと、それぞれ歩みを進ませた。
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