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三ヶ月ぶりに訪れた、閑静な高級住宅街の一等地にある神宮寺家の立派な和風庭園の、美しい曲線が描かれた白砂と、趣のある池を眺めつつ。
鹿威しの風流な音色と涼やかな水の奏でる音色とが微かに響くなか、豪華絢爛な欄間彫刻がふんだんに施された、だだっ広い和室で要さんと共に待っていると。
「お待たせしちゃってごめんなさいね~」
軽やかに襖を開けて登場した、『YAMATO』の社長であり要さんのお母さんでもある麗子さん。
因みに、『YAMATO』の専務であり要さんの弟の隼さんは、所用があって少し遅れて来るらしい。
麗子さんは、さすが要さんのお母さんだけあって、なんとも綺麗なお顔立ちに上品さと華やかさまで加わった、とても五十代後半だなんて思えないほどの美魔女さんだった。
一応独身でもあるんだし、相当おモテになるに違いないから、フランス人の恋人が一人や二人いたってなんら不思議じゃない。
今日はもしかすると、フランス人の恋人も居るのかもと、ちょっとだけワクワクしていたのだけれど、残念ながらいらっしゃらないようだ。
それはさておき、麗子さんは挨拶もそこそこに、隣の要さんとは反対側の私のすぐ隣までくると。
そのまま私の膝に自身の膝を寄せあうようにして、腰を落ち着けたかと思えば。
今度は、膝上にあった私の手を、綺麗にネイルの施された白魚のような、白くてしなやかな両の手で優しく包み込むようにして、自身の胸の前まで引き寄せてしまわれた。
そして続けざまに、
「やっとお会いできて嬉しいわぁ。要の母親の麗子です。よろしくね」
そう言って、引き寄せた私の手を嬉しそうに揺らしながら、綺麗なお顔で上品に微笑みかけられ、ウインクまでお見舞いされてしまい。
「こ、こちらこそ、お会いできて光栄です。綾瀬美菜と申します。よ、よろしくお願いいたしますっ」
あっけにとられた私がポカンとしつつも、なんとか言葉を返せば……。
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