一難去ったその後で…

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しかも、何やら意味深に、言葉の一部分だけを強調させているようだったし。   一体どうしちゃったんだろうか、と私が思案する暇もなく。   要さんは、四つん這いになっている私の腰の括れを掴んで、背後から覆い被さっている自分のお腹のほうへ、グイッと引き寄せたかと思うと。     要さんの滾るように熱くなって、これ以上にないってほどに硬度マシマシの昂りを、私の蕩け切った泥濘へと、後ろからゆっくりとあてがってきた。   「ひゃっ!?」   その瞬間、甘やかな刺激に襲われ、短い悲鳴のような声をあげてしまった。   それだけでも恥ずかしいというのに……。 身体が昂ぶりを受け入れた時の感覚を思い出したように、その先への期待感に、昂ぶりを求めるように腰は勝手に揺らめき、最奥までがキュンと疼いてしまう。   それと同時に、蜜口からは蜜までとろりと溢れてくるものだから、恥ずかしくて堪らない気持ちになってくる。   もうそれだけで、火でも噴いてしまうんじゃないかというくらい、首から上が熱くなってしまう。   なんとか少しでも火照ってしまった顔を冷まそうと、ベッドに突いていた両手で目の前にあった枕を抱え込み、枕へ顔を突っ伏して逃げ込んだ可哀想な私。   まさかこの直後、私のこれらの一連の行動のすべてが、裏目に出るとは、思いもしなかったのだ。   そんな可哀想な私に、まるでトドメでも刺すかのように、自身の昂ぶりで、泥濘を上下に撫でつけるようにして、じっくり勿体ぶるようにして、何度も行き来させつつ、   「速く挿入してほしいからって、そんなに蜜を垂らしてぐちゃぐちゃにさせて、腰を揺らして、尻まで突き出して。そんなに焦るな。そんなに焦らなくても、礼として、今度は俺が、今からたーっぷりと気持ちよくさせてやる。さっきのような妙な心配なんてできないくらい、余裕なんてなくしてやるから、覚悟しろ」    さっきの私の一連の行動を意地悪な口調で指摘した直後、もう何度聞いたか分からないくらいの、あのお決まりのセリフを口にした要さん。 さっきまでの余裕なさげな様子が嘘だったかのように、要さんは、もうすっかり余裕を取り戻してしまったご様子で、ヤル気も充分なようだ。   私なんて、要さんの言葉に、何かを返すような、そんな余裕なんて、もうとっくの昔に手放してしまっているというのに……。 枕に突っ伏し、一連の行動まで指摘され倍増しになった羞恥に身悶えていた私は、僅かに後ろへ腰を引いた要さんによって、パンッと腰を強く打ち付けられ、一気に昂りを穿たれてしまっていた。
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