一難去ったその後で…

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要さんは、器用に私の身体を貫いたままの状態で、胡坐をかくような体勢へと持ち込むと、私の身に着けているバスローブを肩からずらして腰元に落とした。 そしてすぐに、露になった私の両胸の膨らみを、後ろから手で左右それぞれに鷲掴み、柔肌の感触を手で味わうように揉みしだきながら、昂ぶりで天を突きあげるようにして私のナカを激しく攻め立ててきた。 「……あっ、やんっ、はぁっ、あんっ、っあ、はぁ、ああんッ」 途端に、要さんの腕の中で、えもいわれぬ甘やかな愉悦に襲われた私の身体が、弓なりにしなって、喉をのけ反らせ、息も絶え絶えになりながら、甘く艶やかな嬌声と荒い吐息とを零し続けることしかできない。 そんな私のナカは、要さんの昂ぶりを取り込むようにして締め付けていて、どちらのものか分からない熱い蜜で満たされ、絡まりあい、互いの熱で溶けあって、今にもひとつになってしまいそうだ。 その間にも要さんは、時折さっきのように、首筋や肩口、背中というように、至るところに牙を立てるようにして、噛みついたり、強く吸い付いたりして、自分のものだとでもいうように、無数の痕を私の身体に刻み込んでいるようだった。 しばらくそのままの体勢で、獣と化した要さんに容赦なく貫かれていた私が、要さんのキスが無性に恋しくなって、顔を後ろの要さんのほうに向け、右手を要さんの頬へと出来うる限りに差し伸べ、 「……キス……して……ほしい」 潤みきった瞳もそのままに、そう()えば。 本能のままに欲望のままに、突き進む獣のような表情をしていた要さんの表情が、一瞬だけフリーズしてしまった。 かと思えば、急にふっと緩んで、まるで憑き物が落ちたかのような、穏やかな優しい眼差しで、私のことを眩しそうに見つめてきた要さん。 そうかと思っていたら、次の瞬間には、そのまま私はベッドの上で、うつ伏せの体勢で背中から組み敷かれていて。 相変わらず元気なままの要さんの昂りを後ろから受け入れ、いつも以上に深く繋がりあっている所為で。   要さんが荒い呼吸を繰り返しているだけでも、最奥に硬い昂りがグリグリと当たって、じわじわと緩やかな愉悦が蜜と一緒にせりあがってくる。 今より、もう少し強い力で動かれてしまえば、すぐにでも達してしまいそうだ。
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