それぞれの未来へ

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「ええっ!? た、高梨さんって、あの、高梨さん、ですよねぇ? ほ、本当に、隼さんと、高梨さんが、付き合ってるんですか?」 「そう、あの高梨と、副社長になったばっかの隼くんだって、何度も言ってんじゃん。まぁ、俺もまだ半信半疑って感じなんだけどさぁ? それに、付き合うかどうかはまだ分かんない。まだ食事に誘ってただけだったし」 四月に入って、正式に要さんが社長に就任して、まだ二週間ほどしかたっていない週末の金曜日のことだった。 いつものようにマンションまで要さんのことを車で送迎してくれた夏目さんから、思いがけないビッグニュースを聞かされたのは。 夏目さんの時にも驚いちゃったけど、その時とは比べ物になんないくらい驚いてしまった。 まさか、隼さんと高梨さんが付き合うかもしれないなんて。私の頭は大混乱だ。 「えっ!? ってことは、夏目さん、誘ってたところ見たんですか?」 「あぁ。今日、終業後にいきなり隼くんが秘書室に現れてさぁ。不思議に思ってたんだけど。そしたら、高梨の足元に跪いて、手の甲にキスなんかしちゃってさ。愛の告白、プラス、食事に誘ったんだけど。それに対して高梨が、『喜んで』なんて言っちゃってさぁ? この目で見た俺でも、まだ信じられないから、美菜ちゃんや要にはなおさらだろうけど……」 「キャー!? なんですかその、おとぎ話にでも出てきそうなシチュは」 しかも、隼さんは、秘書室でド派手なサプライズ的演出までやってのけたという。
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