それぞれの未来へ

34/37
前へ
/703ページ
次へ
木村先輩のことを好きだとばかり思っていた高梨さんが、まさか、隼さんとそういうことになっちゃうなんて想像もできなかったし。 夏目さんからの情報だと、木村先輩は先月彼女ができたって言ってたから、もしかして、ヤケになっちゃってるんじゃないかなぁ?  そうじゃなければいいんだけど……。 いやいや、でも、隼さんは王子様みたいな見かけだし、話すと気さくだし、料理だって上手だし。 木村先輩とは少しタイプは違うかもしれないけど、案外共通点もあるのかもしれない。 ーーうん、きっとそうに違いない。 隼さんの公開告白には何かあると勘ぐっている要さんや夏目さんに危うく感化されそうになって、私は慌てて考えを改めた。 それからは特に変わったこともなく、お腹のこの子も順調で、穏やかな日常が過ぎていった。 その間、隼さんのことを気にしていた身重の私の身体を気遣ってか、要さんも夏目さんも、私の居る時に隼さんの話をしなくなっていた。 気にはなりながらも聞けないまま六月を迎えた頃、隼さんと高梨さんが同棲を始めたといビックニュースが、今度は雅さん経由から飛び込んできた。 それでようやく要さんや夏目さんの隼さんへ対する疑いも晴れるだろうと思っていたのに……。 何が引っかかっているのか教えてくれないからよくは分からないけど。 「まぁ、同棲したといっても内情は分からないがな」 「う~ん、なんとも言えないなぁ」 私が思いきって切り出した言葉にも、要さんからも夏目さんからも、そんな微妙なものしか返ってはこなかった。 モヤモヤしつつも、だんだん大きくなってきたお腹を気にしつつ、出産準備に励んでいた頃だった。 隼さんのことであまり芳しくない知らせが、社長である要さんの元に、突如舞い込んできたのは。
/703ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14118人が本棚に入れています
本棚に追加