それぞれの思惑~前編~

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週明けの月曜になって。 いつものように副社長と一緒に、夏目さんの運転する車で出勤中なんだけれど……。 週末のように、また副社長を怒らせやしないかと……ヒヤヒヤしてしまう。 心地良く微かに揺れ続けている車の振動を感じながらも、隣で長い脚を組んでシートに背を預けて寛いでいる、今日も朝から麗しい副社長へと視線を巡らせてみるものの、今のところ、特に変わった様子は見受けられない。 ……の、だけれど。 副社長の様子を何度もチラチラと盗み見していたせいで、思い出さなくてもいいものまで思い出してしまった可哀想な私。 たちまち、羞恥に襲われて、全身がカァーッと一気に熱を帯び始めたのが自分でも分かって、そのことで、頭がいっぱいいっぱいになってしまう。 あの週末の夜。 朝と違って、どういうわけだか途轍もなくご機嫌だった副社長。 バスルームに到着するなり、手慣れた手つきで服を脱がせてから、それはもう、時間をかけてたっぷりと……。 触れてないところなんてなかったんじゃっないかってくらいに、(くま)なく可愛がってくださった副社長。 副社長の厭らしく蠢く手や指や、熱くざらついた舌と唇の感触、響きわたる荒い吐息や甘ったるい声、卑猥な水音……などなど。 『ひゃぁ! やめてぇ――ッ! 出てこないでぇ――!!』 心の中で叫んでみるも、次々に浮かんできてしまうものだから。 めくるめくあのバスルームでの光景に、頭がクラクラとしてきて酔ってしまいそうだ。
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