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Bちゃんとはとある趣味が通じて会話するようになり、そしてわたしが怖い話を集めてると聞くと語ってくれた。
怖い話。
怖い噂。
今回はエブリスタが募集してるのは怖い噂であり、怪談、と定義してるわけじゃない。だから、別に不可思議な話じゃなくてもいいのだが、どうやら、わたしは妙な話に行き着くようで、不可思議な話だった。
「それがどうも、彼女。あたしの知ってるA子じゃないらしくて」
長い前置きのあとに、そう言われた。
わたしはてっきり、数年の間に人も変わったのだなと認識したのだが。
「違います。違う。そうじゃなくて――もっと、なんと言いますか。まるで別人というか。……まるで、というのは違いますね。本当に、別人じゃないかと」
「どういうことですか?」
わたしは詳しく話を聞くことにした。
どうやら、彼女は本当に別人であると思ってるらしい。
確かに、優等生だった少女が数年後に髪を染めてヤンキーな風貌になっていたら驚く。しかし、それは別人とほぼ確信するほどではないだろう。驚きはするが、珍しい話でもない。優等生だからこそ、悪い奴につけこまれやすく墜ちてしまう者はいる。これは女性だけじゃなく、男性でもそうだ。
だから、わたしは彼女の話を半信半疑で聞いていた。
「信じて、ませんよね。あたしの話。あたしも、他人がそんなこと言ったらそう感じます。でも、違うんです。本当に、あの子はA子じゃなかった。あたし、彼女とその後に会ったんです。二人で」
町にある、人気の少ない喫茶店。
陽光がレトロな雰囲気のある店内に漂い、感じだけは良い店らしい。
そこで二人は話すことになった。
Bちゃんは良い予感はしなかったらしい。試しに会ってみたものの、内容もやっぱりというか「お金貸して」だった。数年前のA子だったら、多少困りはするものの、貸すだろう。それだけ、信用ある人物だった。だが、目の前の髪を染めた女性はなんだ。すっかり変貌してしまったA子に、正直Bちゃんはお金を貸す気はなかったらしい。
多少、話の遠回りをしても貸さないようにしたい。と彼女は考えたようだ。
まずは昔話に話題をそらし、そこから長い道を歩かせて本題から意識をはずそうとしたのだが、会話がろくに続かない。
「?」
どうやら、A子の方が過去の話を忘れているらしいのだ。
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