平等な不平等

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「以上が診断の結果になります。長くは無い余生です。仕事をこのまま続けるのも良し、仕事を辞めて好きなことに時間を使うのも良し。あなたの好きなように時間を使ってください。なにせ?  時間は有限なのですから。」 ________  残存時間を測定する健康診断から1週間と少しが経ち、休業期間が終了した翌日。  仕事再開の初日。  私は仕事をクビになった。 「君は頑張りすぎたんだ。最後ぐらいは初恋の人にでも会ってきたらどうだい?」  私にクビを宣告する際、社長が私へと言い放った言葉だ。  メガネをかけたオールバックの社長は、言葉とともに一枚の小切手を私へと渡してきた。端的に言って退職金だ。  金額は残り2ヶ月ほどで使い切ることなど到底無理な金額だった。  職を失い、やることもやりたいことも思い当たらなかった私は、社長の言っていた言葉を参考にして初恋の人にでも会いに行こうと考えた。  中学の時、最初の一年だけ同じクラスだった酷く無口で根っからの頑張り屋さんだった初恋の人。  名前は確か鈴白(すずしろ)花香(はなか)だった。背はさほど高くなく、メガネをかけていたはずだ。  彼女はあまり言葉を音にして発する印象の無い人物だが、実際に話してみるとかなりお喋りで、私は確かそのギャップに惹かれたのだと思う。  私が勉強を必死になって頑張るようになったのも彼女がきっかけのはずだ。      
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