インフルエンザ殺人事件(現代の怖い話)

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 老人ホームでのインフルエンザを利用した殺人です。  毎年、インフルエンザの流行の季節になると、必ずと言っていいほど、老人ホームで入所者がインフルエンザの集団感染により〇名が死亡というニュースが流れます。  そこで特別養護老人ホームのスタッフだったの方から話を聞いてみました。  その特養では『死のマスク』というものが用いられていたそうです。  「マスクのサイズには、普通サイズのL(レギュラーサイズ)、女性用のS(スモールサイズ)、そしてあの世へ送るためのD(デス〔=death〕サイズ)がありました」  Dサイズは、インフルエンザに罹ったスタッフが使用していたマスクで、たっぷりとインフルエンザウィルスが付着しています。  これをターゲットの入所者に使ってもらうのです。  「使用後のマスクは湿っているからバレる可能性がありますが、相手は寝たきりで、ほとんどしゃべることのできない人たちばかりだったですから」  一応、その特養ではインフルエンザの予防接種は全スタッフと入所者に行われていたそうですが、抵抗力の落ちた寝たきりの老人にはあまり効果はなかったそうです。  ではターゲットにされる入所者はどんな人たちなのか?  「寝たきりで何年もいる人ですね。早く死んでもらわないと、たくさんいる『待ち』の人たちを入れることが出来ませんから」  こんなとんでもないことが10年以上も続けられているという。  インフルエンザの集団感染で複数の死者が出ると、当然、マスコミに報道されるのですが、なぜか、その老人ホームは潰れずに今でも続いているというのです。  「需要があるんですよ。親に早く死んでもらいたい家族とか。あそこのホームに行けば、インフルで早死にするらしいという噂が広まっていますからね」    本当に怖いのは、やっぱり人間です。                                                       (了)
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