ただただ想いを伝えたい

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んー、なかなかうまく描けたじゃん♪美術の課題よりも、よっぽどうまく描けてる。自画自賛してしまう。  少し黄色がかった(再生紙)紙のまん中にどかんと大きな桜の木。(何だか大胆だ…)  おかげで文字を描くスペースがあんまりない。どうしよう。  色鉛筆で描いてしまったから、消しゴムも使えない。  そもそも手紙なんだから、何か文字をかかなければ、この絵だけでは?である。読む人が気の毒すぎる。  ラブレターなんだから、すきという言葉も伝えなければ。  試しに桜の木の中に、(鉛筆ですぐ消せるように、薄く消えそうな字で)すきと書いてみた。  あー、全然ダメ、恥ずかしすぎる!!  そうだ!落書き風にしてみよう。学校の机にカッターで彫ってあるようなやつ。 「あなたが好きです。」あーだめだ。ストレート過ぎる。 「辻谷くん、ラブ」あー恥ずかしい!  ん…どおしよ…何にも浮かばない。  もう言葉は後回しにしよう。今は桜の木に集中しよう。その間に、何か言葉が浮かんでくるかもしれないし。気楽にいこう。  しばらく考えても、なかなか言葉が見つからないので、気分転換に外に出た。もうすっかり暗くなっていて、空には星も月も輝いていた。 「あ、北斗七星みっけ!その先の北極星も今日は一段と眩しくみえるなあ」 などと独り言を言う。     
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