第2幕:いなくなれ、群青

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「お前らな。そんなことばかり言ってたら姉ちゃんに怒られるぞ」 「うるさい!お前が姉ちゃんを姉ちゃんって呼ぶな!」 「そうだぞ!気持ち悪いぞ!」  二人揃って騒ぎながら指をさしてくる。 「そんなこと言ったって仕方ないだろ」  俺は彼女の名前を知らないんだ。その言葉を言おうとした時、「二人とも!」と後ろに並んでいた彼女が少し怒った口調で言った。 「どうしていつもそんなに酷いことばかり」  彼女がそう言うと、和志と彰人は逃げていった。 「あぁこれ。彰人のスタンプカード」 「ありがとうございます。いつもいつもすいません。あの子たち、失礼なことばかり言って」 「いやいや。大丈夫だよ。俺はあまり気にしてない」 「二人にはきつく言っておきますね。私もスタンプお願いします」  そう言いながら、彼女はスタンプカードを二枚差し出してきた。 「あれ、二枚?」 「はい。今日はお婆ちゃんがいますので」  彼女がずらした視線の先を見ると、しいたけ婆ちゃんがいた。俺は小さく頭をさげる。 「この間は婆ちゃん来てなかったよね」  確認するように聞くと、彼女は若干目を伏せて「最近、あまり体調が良くないんです」と言った。聞いてはいけないことを聞いてしまったのだと後悔した。     
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