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「あぁ。そういえば言えなかったな。俺も野球やってんだよ」
「え!マジで!?」
「マジだよ。肩強いから球は速いぞ」
そう言うと、和志は目を輝かせて「じゃあさ!」と言った。
「俺とキャッチボールしてよ!」
「7時半になったら俺はじいちゃんと朝飯食いに行くからそれまでな」
「7時半って、後30分以上あるじゃん。結構できるじゃん」
「ちょっと待ってろ。グローブとってくる」
部屋に戻り、三つ持ってるグローブのうち最後まで使っていたグローブを持って行った。好きな球団の尊敬している選手のモデルだった。
そのグローブを見て和志はまた目を輝かせた。
「うお!すげぇ!井端モデルのオールランドじゃん!凌って内野手なの?ピッチャーなの?」
嬉しそうに聞いてくる和志が俺のことを名前で呼んだことに気づき、少しだけ嬉しい気持ちが湧き上がってきた。
「いいやどっちでもない。俺は外野手だよ」
「なのにこんなの使ってんのかよ。いいなー」
「それよりも早くキャッチボールやるぞ。時間がなくなる」
「大丈夫!それなら心配いらないから」
何を言っているんだ?と思って首をかしげると、和志は得意げに親指を立てた。
「朝ごはんをウチで食べてけば問題ないだろ」
「……は?」
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