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「そういえばさ、今週の土曜日って三人とも用事あるか?」
「土曜日ですか?私たちは特に何もないですが、何かあるんですか?」
まだしいたけ婆ちゃんは起きていなくて、老人を無理矢理起こすのはかわいそうだからと四人でご飯を食べている時、俺はふと昨日思いついたことを提案することにした。
「あぁ。今週の土曜に川祭りっていう大きな夏祭りがあるんだよ。ちょっとだけ離れた場所だからバス乗って行かないとダメなんだけど、よかったら俺たち四人で行けないかと思ってさ」
「え!祭り?!祭りがあんの?!」
「凌!りんご飴ある?!」
「祭りがあるから言ってんだよ。りんご飴もあるぞ。なんだ、彰人はりんご飴が好きなのか」
「りんご飴うまいからな!」
「俺はたこ焼きが食いたい!」
「りんご飴は俺も好きだぞ。和志はたこ焼き食いたいのか。聞いてないけどな」
騒ぎ出した二人をあしらっていると、けーちゃんが嬉しそうに控えめに笑った。
「どうかした?」
「いえ。三人とも仲良くなってくれてよかったなと思いまして」
「あーなるほど」
まさかこんな関係になるなんて俺も考えてもみなかったよと思ったが、それを口に出すのは無粋だと思ったから言わないことにした。
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