第3幕:スターティングオーヴァー

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第3幕:スターティングオーヴァー

「部活には来てくれないのにあの知らない子とは野球やんのかよ!」  唇を噛みながら、シゲは怒鳴った。俺の胸ぐらをつかむシゲの手は震えていた。 「別にやりたくてやってるわけじゃない」 「じゃあどうしてだよ!野球なんてやりたくないんじゃなかったのかよ!それがどうして!」  シゲの言葉に返すべき答えを俺は見つけることができなかった。だから俺は沈黙を返した。 「っ…!もういいよ」  黙って目を逸らす俺を見てシゲは何かを言いたそうな顔をしたが、言いたかったであろうその言葉をぐっとのみ込んで場から去っていった。やっぱり俺は、その背中を眺めるしかしなかった。  結局、これ以降はシゲと遊ぶことがなくなった。8月になってすぐのことだった。 「めんどくせぇなぁ」 「何がめんどくさいんだよ」 「そうだぞ。誰がめんどくさいんだ」  ぽっと呟いて空を眺める俺の言葉を拾いながら和志と彰人が詰め寄ってきた。 「お前らには関係ねぇよ」 「なんだと!」  和志がツリ目をさらにつり上げた。 「そんなことより、今日もキャッチボールしてくれよ!」  彰人が和志を真似るように目をり上げながら言った。 「少しだけだからな」 「「やったぁ!」」     
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