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不意に、愚痴が始まった。 あんなに明るく話していたテーブル全体の雰囲気が少し重くなる。 テーブルに吐き出された愚痴は、どこに向かっていくのだろう。 二人なら悲しみは分かち合えるし、喜びは二倍になる、みたいな言葉を聞いた。 どうして喜びは半分にならないのだろう、と未だに疑問を持つ。 今吐き出された愚痴を数人で共有するのであれば、 分け与えられた愚痴はまた誰かに分けることになるのか。 今テーブルにいるのは7人。7等分。少し頭を使わないといけなさそうだ。 愚痴を話している本人が2人分負担してくれれば8等分できるんだが。 僕の中に愚痴が貯めこまれていく。 愚痴に利子はあるのだろうか。 利子があるのであれば、僕で早めに返済しなければならない。 分け与える相手のいない僕は、内部で調理するしかない。 走れば消費するスピードが増すだろうか。 休日にパソコンを眺めているだけでは、蓄積から逃げているだけで、消費はできない。 打ち込めるものを探さなければ、と僕の会議をまとめた。 あと20分残っている。 もう少しゆっくり食べればよかった、と毎日後悔しているのに改善できないのはなぜなのだろうか。 コンビニの薄いサンドイッチでは咀嚼の回数を増やすにも限界があると思われる。 肉系のサンドイッチを選ぶか、少し硬めのパンを買うか、単純に量を増やすのはどうだろうか。 脳内の研究者が僕に昼食の考察を説明してくれた。 量を増やすのは嫌だなあ。 食べ終わるまでの時間がかかりすぎると、皆食べ終わっているのに食べなければいけなくなる。 咀嚼音が気になりすぎて、その場から消えたくなってしまう。却下。 言い訳で研究者の発言を取り下げた。
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