初恋ものがたり。

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「これは、画期的な食べ物だわ……!」 何の変哲(へんてつ)もないホットドッグをひと(かじ)りして、サラが歓喜の声をあげた。柘榴石(ガーネット)の瞳に宿るのは、“好奇心”だ。 「画期的って……」 (あき)れる僕の声などまったく気にせず、彼女はホットドッグをしげしげと眺めている。 「熱いソーセージをパンに挟んで提供するという発想! 食器を用いずとも食べられるという手軽さに加えて、余計なものを一切加えないという(いさぎよ)さ」 サンドイッチとは一線を(かく)す食べ物だわ、と感嘆(かんたん)する彼女を一瞥(いちべつ)し、僕はため息をついた。 シルバーブロンドの髪が日の光を浴びて、キラキラと絹糸のように輝いていた。(すす)で一度も汚れたことがない頬は薔薇(ばら)色に上気(じょうき)し、小さな傷ひとつない白い手が、露店で買ったホットドッグを大事そうに握りしめている。
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