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この小さな機械が、今日から私の目となり口となり、この世界に、私を見下し続けた世界に衝撃を与えるのだ。 肉体を捨て、脳だけになった私が手に入れたのは、寿命という理不尽なシステムに管理されることなく生きられる、そう永遠の命だ。 コンピューターが人間を追い越す時代?そんなものはただの通過点に過ぎない。 私はずっと考えていたのだ。それさえも凌駕する時代が来ることを。 それはコンピューターと人間が一体となる……いや、人間がコンピューターを飲み込む時代が来ることを。 そしてそれは今まさに来た。私が目覚めたこの時だ。 私をバカにした連中が知れば、どんな顔をするだろう。自分の愚かさに気づき羞恥に駆られるだろうか。あまりに恥ずかしくて二度と外を歩けないかもしれない。 だけどそんなことも今はもうどうでもいい。 私は成功させたのだ。お伽噺だと言われた研究を、自分の肉体を捧げて成功させたのだ! 人類が行けないと思われていた領域に。 月に行くよりも遥か高みに、私は辿り着いた。 ――神とはきっと、私のような者を言うのだろう。 ――君もそう思わないかい? 私は恍惚とした気分で、この部屋に唯一存在する生身の人間に目を向けた。
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