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「あのね…愛梨さん…気持ち悪がらないで聞いて。」歩きながら市来君は繋いでいる手を更に強く握って少し硬い表情になった。
「なんでも話して。多分驚かない。」表情は硬いまま市来君は話を続ける。「俺初めて愛梨さんをみた時この人は運命の人だと思ったんだよ…おかしいよね…結婚式で自分の先輩の花嫁さんなのにだよ。でもね、聞いて、その運命は今じゃ無いっていうのもわかってた。つまり…なんか前世からの?がりもあるんだけど、来世とかにやっと成就する運命…」
市来君は真剣だった。愛梨はスピリチュアルな事は全く興味が無いしよくわからないけど…何故か市来君が言ってる意味は理解出来た。
「私はただ市来君が好きなだけなんたけど、そう説明されたらそうなのかなぁと思う。つまり来世まで待てば良いのかなぁ?」「愛梨さん…」市来君はただ真っ直ぐ前をみて涙を流した。
夜市の近くのコンビニでビールを買った
愛梨はマンゴーテイストの台湾ビールを片手にずっと食べたかった臭豆腐を摘んだ、独特に匂いと旨味がたまらない…ここの夜市で人気の餃子もモチモチの皮が甘くて忘れられなくなりそうだった。一本目のビールが無くなったから二人はに、移動した。日が暮れての近くの色街に活気が溢れてきた。コンビニで又ビールを買って二人はしばらくウロウロした。立ち止まり寄り添いながらビールを片手色とりどりのネオンを眺めた。「俺の爺さんが坊さんなんだけど…親父は継がなかった…その家系のせいかはわからないけど…何か子供の頃から色々感じるんだよね。この事初めて誰かに話したよ…面白がられたりしたくなかったしね。」
愛梨は市来君の肩を抱いて優しく擦った。市来君の孤独だった悩みも、自分達の不思議な縁も
飲み込んでしまいたかった。全部は無理でも。
夜の廣州街夜市は、浅草の6区やホッピー通り、花やしきの辺りに似ている…子供の頃たまに遊びに行く浅草が好きだった…愛梨は自分のノスタルジーと市来君との今が重なり合う感覚にフラフラした。「HOTELに帰らない?どちらの部屋でも構わないから、もう少しお酒を買って飲みなおそうよ…」「そうだね、色々食べたしね。俺明日も休みだから、お土産は明日買おう、あとね…俺の部屋で良い?愛梨さんの部屋に入るのはもっと先にしたほうが良い。」二人は笑いながら「来世!」と叫んだ。
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