夢と自分を信じて

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3. パスワード それから一週間、私の布団がおし入れに帰ることはなかった。 と、言うのは、あの日の夜普段なら5分でふとんをしく事ができるのに、一時間位してやっとおし入れから布団引き出して、それからおし入れを開くことが出来なかったのだ。 ただ、こうしておし入れの前に立つだけで、心臓が飛び出しそうになる。 私はつばをごくりと飲み込むと、おし入れの戸に手をかけた。 こうして迷っていると、色々な考えがよぎるので思い切って、手に力をこめた。 今は朝というのに、おし入れの中は奥に行くほど暗闇に包まれていた。 左手に持っていた懐中電灯を右手に持ち変えると、スイッチをおす。 ピカっと目がくらむくらい眩い光が、おし入れの闇を追い出して、それと同時にこの前見た小さなドアの存在を私に知らせた。 チョコレート色のドアは、まるで板チョコの様に6つの四角形で出来ていた。 波打つ心臓をおさえながら四つん這いのまま少しづつ前に進んだ。 目の前にドアがある。恐る恐る手をのばすと、固い物にさわった感覚がする。 思いの他冷たくはなかった。 次に、少し後ろに下がって、右手をのばすと、ドアノブに手をかけた。 自分の心臓の音が、自分の耳にうるさいくらいに伝わる。     
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