歪な愛の結末

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 すごく、可愛らしい赤ん坊だ。  僕も、彼女と恋人同士になり、将来は結婚をしてこんな可愛い子供を授かりたいなと考えていた時、不意に声をかけられた。 「こんにちは」  凛とした声の主は、赤ん坊を抱えた女性だった。 「あ…こ、こんにちは」  僕が呆然としながら挨拶を返すと、彼女は僕に向けて軽く微笑み、「お久しぶりですね」と言った。  目の前にいる茶髪の女性は、僕が片思いをしていたあの女性だった。 「…結婚したんですね」 「ええ。ちょうど一年くらい前…」  それから僕は彼女と話をした。  彼女の旦那さんには少し申し訳なかったが、僕は彼女と長い時間をかけて話をした。  まるで、今までほとんど会話をしなかった分、それを埋め合わせるようにたくさんの話をした。  初めて僕が彼女とすれ違った時、彼女が僕を見て微笑んだのは、僕の顔が異常なほどに緊張していたからだと彼女は言った。  彼女は緊張する僕を見て、自分と同じだと思うと可笑しくて、思わず笑ってしまったのだそうだ。  彼女がこの道を歩かなくなったのは、結婚をして嫁に行ったためだった。     
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