ひみつの、ろじうらの
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理由はなかったのだけれど、それを口に運んではいけない気がした。 私は男性が部屋を後にしている間に、この洋館のような建物をそっとあとにした。 裏路地の入口では、こっくりこっくりと船をこぐお婆ちゃんがまた座っていた。 私がそっと横をすり抜けようとすれば、ちろりと片目だけを開けて私の姿を確認してから、にやりと笑って言ったのだ。 「御前さん、ひとりだね」
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