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B「ねえ、もうこんな泥棒みたいなこと、やめようよぉ」
A「人聞きが悪いなぁ、私はあのパン屋がちゃんと食べられるものを売っているか確認しているのよ」
B「だからって、盗まなくても......」
A「何言ってるの、試食しているだけでしょ」
だめだ......
ギルドマスターから受け取った旅の資金が、一瞬にして消えた......
彼女は初めて出来た旅の仲間だった。レベルは初心者級だったが、それは僕も同じだ。つまり同期みたいなものだ。
A「武器ガチャがさぁ......当たると思ったんだけどさぁ」
B「だからって、なんで僕の資金まで使っちゃうんだよー?」
A「だって、特賞はドラゴンソードだよ、初めからそんなの持ってたら、一気にラスボスまで行けちゃうじゃんっ!」
B「......客寄せだと思うよそれ、当たるわけない」
A「し、しょうがないでしょ、じゃあどうすればよかったのよ!」
B「戦士や魔法使い、武闘家、僧侶というような職業について、レベルをコツコツと上げて......」
僕は鞄から職業が載った厚い本を取り出して、彼女に渡した。
盗んだという自覚のないホットドックを頬張りながら、彼女は本のページが破れそうなくらいに荒っぽくめくる。
A「コツコツと、ねぇ......」
B「どう? 何かあった?」
A「あっ」
何かを見つけたような反応、ページをめくる手が止まる。
A「あたし、これにするわ」
B「なに? 何になるの?」
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