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あの後謝りに来た野球部に後片付けを任せ、僕たちは一緒に帰ることになった。
隣では谷崎が赤色の猫を見たことがあるかなどとまた変なことを言っていたが、僕は先生が何故破片に気づかずに立ち去ったのかが気がかりで仕方なかった。
「…何でなんだ?」
「何が?」
「…君も見ただろう、先生が破片に気づかず去っていったのを。」
「だから僕の魔法だって言ったでしょ?」
僕は流石にイライラしてきた。適当にあしらえば済む話だったが、ここまで相手がしつこいと話が違ってくる。溜め息をつきながら僕は谷崎に食ってかかった。
「そこまで言うなら、その魔法とやらを僕にもわかる形で見せてくれよ。」
「いいよ。」
すんなりと承諾したのを見る限り、どうやら策でもあるらしい。
根拠も対策もない調子の良い返事であったらぶっ飛ばそうと心に決めた僕だった。
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