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「君は友達がいないの?」
屋上で優雅に昼食のサンドウィッチを食べている僕の時間を邪魔したのは紛れもないあのヘタレ男であった。
「失礼な人だね。僕は敢えて知り合いがあまりいない高校に来ただけなんだよ。変人な君と一緒にしないでくれ。」
「何故敢えて?」
「高校で真面目に勉強したかったから。」
「うっっっそだあ、中学で何かあったんでしょ?」
これをウザ絡みというのだろう。こいつ酔っ払ってるんじゃないか。
眉をしかめる僕を見て、彼の騒がしい表情がすっと消えた。そしておもむろに口を開く。
「…僕もそうだったから。」
「そうか。」
僕は短くそう返すと、サンドウィッチのゴミをぐしゃりと握りつぶし立った。彼を見ると、少し悲しそうなやるせないようなそんな表情をしていた。僕の視線に気づいた彼にニコリと笑って僕は言う。
「僕は中学で問題があったわけじゃ無い、友人もいたし充実した生活を送った。勝手な妄想ご苦労様です。」
「えっ。」
驚く声を無視して僕は屋上をあとにした。もう関わってくることはないだろう。これで話しかけてきたら、もう本当にただの変人だ。
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