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寝不足続きの体が、入浴後、更にどっと疲労感を増して、今日こそは早く寝ないとと想いながら、壁にもたれて歯磨きをした。
今日は…やりたくないな…
頭の中ではそう思っているのに、視線は、その艶かしいクビレと曲線に注がれる。
もう寝なきゃいけない、こんなことしてたらおかしくなっちゃう、誰にも言えないと想いつつ、毎晩、自らの持ちうる全神経を傾け、上から下へ…視線を這わせ、前から後ろへ…爪をなぞらせる。
吐息が漏れ、自分に跳ね返るほど、顔を寄せて、見つめる。
時折あまりにも夢中になりすぎてしまって、余計な力が入ってしまうのも、無理はない。
けれど、そんな自分の愚かさに耐えかねて1度目を閉じ、顔を覆う。
ダメ…血が上りすぎたら、ダメ…
壊してしまう…抜け出せなくなる…
頭の中で、自分に何度も言い聞かせる。
心かき乱され霞む瞳で、このまま眠ってしまおうか…と、諦めがよぎった時、まるで狙ったかのように、心が、全体像を捉えた。
あ、ここ…っ!
飢えた獣のように再び手を伸ばし、外気に晒され冷えた表面に、興奮と期待に熱を帯びた手を添える。
触れるか、触れないかの絶妙な距離感を保ったまま、2つの大切なパーツを擦り合わせるように、汗で滑り気を帯びた指先で、弄ぶ。
力を抜いて…
無理やりしたら、壊れちゃう…っ!
そして、何一つの引っ掛かりも感じられぬほど、それは滑らかに、複雑に絡み合う穴に、斜め45°で滑り込む。
こうして外したこの知恵の輪は、実のところ、元の形に戻すことの方が、激ムズなのだった。
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