斜め45°

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寝不足続きの体が、入浴後、更にどっと疲労感を増して、今日こそは早く寝ないとと想いながら、壁にもたれて歯磨きをした。 今日は…やりたくないな… 頭の中ではそう思っているのに、視線は、その艶かしいクビレと曲線に注がれる。 もう寝なきゃいけない、こんなことしてたらおかしくなっちゃう、誰にも言えないと想いつつ、毎晩、自らの持ちうる全神経を傾け、上から下へ…視線を這わせ、前から後ろへ…爪をなぞらせる。 吐息が漏れ、自分に跳ね返るほど、顔を寄せて、見つめる。 時折あまりにも夢中になりすぎてしまって、余計な力が入ってしまうのも、無理はない。 けれど、そんな自分の愚かさに耐えかねて1度目を閉じ、顔を覆う。 ダメ…血が上りすぎたら、ダメ… 壊してしまう…抜け出せなくなる… 頭の中で、自分に何度も言い聞かせる。 心かき乱され霞む瞳で、このまま眠ってしまおうか…と、諦めがよぎった時、まるで狙ったかのように、心が、全体像を捉えた。 あ、ここ…っ! 飢えた獣のように再び手を伸ばし、外気に晒され冷えた表面に、興奮と期待に熱を帯びた手を添える。 触れるか、触れないかの絶妙な距離感を保ったまま、2つの大切なパーツを擦り合わせるように、汗で滑り気を帯びた指先で、弄ぶ。 力を抜いて… 無理やりしたら、壊れちゃう…っ! そして、何一つの引っ掛かりも感じられぬほど、それは滑らかに、複雑に絡み合う穴に、斜め45°で滑り込む。 こうして外したこの知恵の輪は、実のところ、元の形に戻すことの方が、激ムズなのだった。
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