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彼女は私たちより1つ下の女子生徒で、私たちと同じく落ちこぼれでした。
「ここの学校って、ちょっと放任すぎるというか、冷たいと思いません?誰も助けてくれないんだもん」
私たちはそんな落ちこぼれならではの学校への不満や日々を鬱憤をお互いにぶっちゃけてすぐに仲良くなりました。
クラスでほとんど友達がいなかった落ちこぼれ男3人にとって、明るくて話しやすい早紀は天使のように見えました。
「ここ、居心地いいね。私もたまに来てもいい?」
早紀がそう言って教室を出ていった後、私たち3人はお互いにハイタッチして喜びました。
それから、私たち3人は早紀に夢中でした。
学校でも寮でも早紀の話ばかり、彼氏はいるんだろうかとか、アイドルの誰々に似ているとか、延々とそういう話をしていました。
早紀が地下教室に現れるのは週に1回か2回のことでしたが、その時は3人でゲームやトランプをして過ごしました。
毎日やっていることなのに、早紀が入るとまるで別のゲームのように楽しかったのを覚えています。
早紀は何気ないことで、あははは!と声を上げてよく笑いました。
私たちはその笑顔に完全に絆されていて、次は早紀はいつ来るのかばかりを考えていました。
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