GET WILD <前編>

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 次の日の月曜日。  外は曇天だった。  曇天の下をふにゃふにゃした気分で会社に行った。  そういうことはある。  そう毎日シャキッとなんかできない。  ふにゃふにゃした気分で仕事をして、ふにゃふにゃと終業時間になり、特段やることもなかったのでそのままふにゃふにゃと残業をした。  ふにゃふにゃロッカーに行って、ふにゃふにゃ帰ろうとした。  今日は本当にふにゃふにゃな一日だった。  それで帰ろうとしたら外は雨だった。  かなりの雨だった。  なんか雨に変に気合いが入っていた。  こっちはふにゃふにゃだっていうのにさ。  新橋駅まで歩く間にパンプスの中が水溜まりだよ。  梅島に着いたら更に雨脚に気合いが入ってきたよ。  風も吹いてきて、横殴ってきたよ。  こりゃいじめかよ。と思った。  泣きっ面に蜂、という名言が頭に浮かんでは消えていく。  くそう、とも思えなかった。  ふにゃふにゃだ。  万策尽きて私は仕方なくふにゃふにゃと梅島駅から歩き出した。  夕飯の買い物をせねば。  そんな思いがほんの少しだけ頭を掠めたけれど、ふにゃふにゃ過ぎて駄目だった。  買い物するどころか、家に辿り着けるのかな。  こんなふにゃふにゃで。  私は右足を引き摺って歩いた。  ずるずる引き摺って歩いた。  雨の中。  私の不具の右足を。  切っても切れないこの私のまっすぐにならない不具合な右足を。  誰も見ちゃいない。  ちんばな私。  ふにゃふにゃ。  涙も出ない。  泣く元気もない。
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