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「…わたしの名前は2つあります。一つは田中香葉子。もう一つはコルクです。
これから、話すのは田中香葉子とコルクの証言です。
わたしが芳川玲央と出会ったのは三年前でした。その時の名前はコルクです。
コルクのわたしの仕事は夜伽のためでした。芳川玲央は悪さを平気でするため、三回、少年院にいきました。
しかし、芳川玲央の父、芳川行徳の会社の跡取り息子のため、その事実を隠し、まともな人間にするため、心の修理をすると決めました。
最初に出会った芳川玲央は凶暴そのものでした。話を聞くことも出来ず、わたしを見つけるなり、殴ったり、蹴ったりと暴力を振るいました。わたしは毎晩、耐えました。しかし、そうして…玲央と触れ合うことで彼の悲しみを感じるようになりました。彼は誰からも愛されたことがないのです。唯一優しくしてくれた姉、芳川愛美がなくなったことで玲央の心は壊れ、この世界に一人取り残された、という恐怖に染まってしまったのです。
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