芳川玲央

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 …わたしは、芳川玲央を心から愛していました。例え、機械仕掛けの心だとしても。わたしは自分の愚かさに気がついたのは、玲央の服を脱がした、その時に、すべての過ちに気がついたのです。  芳川玲央もロボットでした。  姉の芳川愛美が亡くなったときに、自殺したのです。しかし、わたしの博士が死ぬ直前に玲央の意思をデータとして残し、途切れ途切れの記憶、感情が不完全で玲央の心を不安定にしてしまい、コルクのわたしが造られたのです。  わたしはあまりの衝撃に考えることが出来ません。しかし、世間は悪事を見逃すほど、甘くはありません。この気味の悪い家族のことを密告したものがいるらしく、テレビをつける度に、ニュースで『ロボットの違法行為発覚』とこの家のことが上げられていた。  …わたしはこの録音の後に、コルクの体を運び、爆死するように命令されています。ヘリコプターの事故で死亡というシナリオです。  このテープがいい人に見つかることを祈って、わたし、コルク及び田中香葉子は証言しました。  どうか、神様お願いいたします。  玲央だけはなんとか生き続けられる道へお導き下さい。」
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