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すっかり元気になったリゼだが、時折ぼんやりと路地裏の方を眺める様子を見てロイは思った。
――依存性が少ないだなんて嘘じゃないか。
逮捕されたミス・ウォーズリー自身、薬物依存症であった。幻の運命や幸せに依存し彷徨う誰かが、第二第三の“ミス・ウォーズリー”になる日が来るかもしれない……と、巷ではまことしやかに囁かれている。
路地裏を眺め「いつかウォーズリーがまたあらわれるのかしら」と呟いたリゼの瞳は、あの日の“運命の人”を捉えているような気がしてならなかった。
END
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