第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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「んー! めっちゃ美味い!」  和音が次から次へと口に運ぶ様を見ながら、秀臣もゆっくり食事する。  食事の後はやっぱりチョコよりお風呂かなと、和音が無造作にソファに置いたプレゼントボックスに視線を遣ろうとして、何故だか和音と目が合った。 「……どうかしました?」  理由を聞いてみる。 「あ、いや。俺もその……。お前からのチョコは最後にじっくり味わいたいなって」  どうやら二人、同じ思いだったらしい。  絶妙なシンクロ具合に小さく笑うと、自分の分のステーキも分けてあげながら言う。 「お風呂でいちゃいちゃしましょうか?」 「じゃあ風呂! 早く風呂!」  普段はつれない和音にしては、かなりの度合いではしゃいでいる。  朝はつれなくしていたが、やはり初めてのバレンタインを楽しみにしてくれていたのだと、とても嬉しくなる。 「ゆっくり食べないとむせますよ」  急いで食べている和音に忠告したが、その時には既にむせた後であった――。
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