第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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 しかし、秀臣が言うのだからと、プレートをテーブルに置き直し、思い切って小槌で割ってみた。  そうして和音は、プレートの上で大小様々に割れたチョコに混ざり、きらりと光るモノを発見する。 「……これ」  信じられないものを見るように、ゆっくりとした手付きで取り上げたのは、リングの外周をぐるりと囲うように同カット・同サイズの小さなダイヤを留めた、エタニティリングであった。 「……」 「か、和音さんには、指輪をもらいましたけど、あれはほら、婚約指輪って事で!」  指輪を前に、先刻までの勢いも消沈し、急に黙ってしまった和音を見て、やはりまずかったかと、焦って説明する。 「あの、これ、け、結婚指輪って事……なんです、けど」 「……うん」  ようやくの事で聞けた返事がそれである。 「和音さん? やっぱり、迷惑でしたか?」 「どうしよ……。俺、今、すっげー幸せ」  指輪を大事そうに握り締めると、とうとう泣き出して、そのまま俯いてしまう。
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