第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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「和音さん、それってオッケーって事ですか……?」 「ありがとう。ヒデ、俺、お前と逢えて、本当に良かった」  突然顔を上げると、がばっときつく抱き締めてくれる和音に、その気持ちに応えながらも続けた。 「今の日本の法律だと、結婚は出来ないですけどね」  優しい手付きで身体を離すと、隠し持っていた婚姻届も和音に手渡した。 「役所には出せなくても、何かしら形に残るもの、欲しいじゃあないですか。どうせなら、記念になるように、バレンタインに書きましょう」 「か、書く……! あ、でも、その前に」  和音が意味ありげに、指輪を見詰め、秀臣に視線を戻す。 「俺の分もあります」 「うん」  心底幸せそうな笑顔で、秀臣からもらった指輪を渡し、秀臣の持つ指輪をもらうと、お互い祈るように左手薬指にはめた。  テーブルには、和音が秀臣にプレゼントした揃いの指輪が寄り添うように置かれている。  和音はそれを見詰め、左手薬指を見詰め、改めて秀臣を抱き締めた。
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