第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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「ヒデ、顔赤いけど大丈夫か?」 「えーと、とにかく離れましょうか」  普段、仕事でならこれでもかってくらいに場の空気を読むのが上手いのに、こういう時だけ鈍過ぎるのは何故なのか。  わざわざ説明するのも気恥ずかしくて、尚も覗き込んでくる和音を身体ごと、優しい手付きで離す。  そうしてから、ちょこっとだけソファの端へと避難すると続けた。 「あのですね。俺達もうお風呂入っちゃいましたし。明日も早いので、ね」 「……」  遠回しにだが、口許を隠し、昂る感情を必死になって抑える秀臣に、和音が目を丸くしながら驚いた様子を見せる。 「……今日はもう、いちゃいちゃ無理?」 「……っ」  言われて思わず言葉に詰まる。  明日早い事を考慮すれば、ここは「無理です!」ときっぱり断るべきなのだがと、秀臣はちらりと和音に視線をやる。  和音はあからさまに残念そうな表情になってしまっていた。  だが、残念そうにしながらも、あまり強くわがままを言ってこないところからして、和音にもこれ以上のいちゃいちゃは、仕事に支障をきたす事を意味すると理解出来ているのだろう。
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