第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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「と、取り敢えず、今日はですね。これ、書いて、チョコ一緒に食べて、寝ましょうよ」 「うーん」  返事が唸るようなものとなっている。  どうやら本格的に機嫌を損ねてしまったようだと、まるで子供が親にするような可愛らしい拗ね方に、思わず苦笑いした。 「はいはい。明日頑張ったら週末ですし、そしたら存分にいちゃいちゃするって約束でどうですか?」 「……え? 良いのか?」 「はい。他ならぬ和音さんからのお願いですから」  ようやくの事で期待に満ちた目をきらきらと輝かせながら、服の裾を掴み甘える仕草を見せる和音に、頭を撫でながら頷いて見せる。 「分かった。じゃあ今日は、これで我慢する」 「よし。じゃあ続きやりますか」  中途半端になってしまったバレンタインの儀式を再開しようと、婚姻届にも二人で仲良く記入してから、チョコをお互いに食べさせて味を堪能する。 「美味しいですね」 「うん」  こうして二人のいちゃラブな夜は、ラブラブに更けていったのだったーー。
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