第二章・―チョコじゃない、行方は気になる―

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 何はともあれ、バレンタインの夜にいちゃいちゃしまくった二人は、お互いに改めて気持ちを確かめ合って、より絆を深める事に成功した。  チョコを美味い美味いと完食してくれた和音が、ホワイトデーは覚悟しておけと言い放つ。  きっかけが相良のもたらしたプレゼントボックスというのも、少しばかり情けなくはあるのだが、それでも結果オーライなのだからして、まぁ良いだろうと秀臣は思う。  翌日、出社した和音の左手薬指に光るモノを見た女子社員がこぞって悲鳴をあげていたが、当の本人は何故なのかすら理解していないようであった。  内心では秀臣も、これで少しはライバルが減れば良いと考えている。  そんな二人を観察していたのか、何故だか目が合った相良に、したり顔でサムズアップされてしまった秀臣であった。  事情を把握している斎藤からも、やっと渡したのかと苦笑された。  そんな和音と秀臣、二人が住む部屋の壁には、額縁に入れられた婚姻届が飾られているのだ。  勿論、二人が記したサイン入りで――。  
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