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「あ、もう話は取り付けてあるんで。会社終わってからすぐ、エントランスで待ってますって」
「あぁ。分かった。仕事終わってからか」
昼休みは社内にも人が多いし、人目を気にするのだろうかと、ここは相手の意見を尊重する形で納得する。
それにしても、相手を見付けるだけでなく、アポまで取ってくれるとか、昔と比べてまた成長したなと、和音も内心で嬉しく思う。
「俺は先に帰って、ご馳走とチョコ、用意しておきますから」
「おう! 楽しみにしてるぜ!」
途端にはしゃぎ出す和音の中で、どうやらメインは間違いなく、プレゼントを返す事より秀臣からのご馳走とチョコのようだ。
和音が以前より素直に気持ちを表現出来るようになってきたのは良いが、それによりまたしても女子社員のライバルが増殖しているのもまた、紛れもない事実である。
まぁ、それはともかくとして、話が早く終わるならそれで良いと思い直し、昼御飯も済ませて終業時間までを過ごしたのだった。
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