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「なるほど。それで、今も動悸なんかは続いていますか？」
「いえ、動悸も汗も今のところは治まってます。
でも、倦怠感っていうか、体がだるいっていうかは続いています」
「分かりました。では、ちょっと立ち入った質問をさせて頂きますね」
そう前置きをした医者は、性生活的な内容を中心にいくつか質問をしてくる。
そして小さく唸ると、大祐の方にクルッと体ごと向き直った。
「更にちょっとプライベートな事を伺いますが、その偶然の目撃をされた後、彼女の方とはその件について話をされましたか？」
いえ、まだ……。
ビビりと嫉妬も明らかすぎで、さすがに大祐は視線を俯ける。
すると、穏やかながら向かいからの声がきっぱりと言った。
「今のところ症状を伺った限りでは、更年期障害と断定するのは早計だと
思いますねぇ」
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