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あれ? もしかして、置きっぱだった?
大祐は、床に落ちたスマホを拾い上げて苦く笑う。
ところが、その途端、ふとある事に気付いた。
あっ、そうだ……。
今朝、会社に連絡を入れた時に、真友子からのメールが届いていることには
気が付いた。
だが、それを開くのが怖くてそのままスマホを枕元に置き、置き忘れて
外出してしまったようだ。
だから当然、真友子への返事はまだしていない。
ヤバい、よな……。
声なく呟いた大祐の耳に、医者から促された事が蘇る。
まずは一度、きちんと彼女さんとお話をされることをお勧めします。
だが、どの面を下げて、どんな事をどんな風に話せばいいのか分からない。
それどころか、もし真友子が、大人げなく彼女からも自分の妬きもちからも
逃げていた彼を呆れて、愛想を尽かせてしまっていたとしたら……。
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