18 決意のバレンタイン

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だが大祐は、再び逃げ腰になった自分にかぶりを振った。 「せめて、返事はちゃんとしないと」 ところが、そう意を決して開いた真友子からのメールを読んだ大祐の胸は、 なんとも複雑に痛んだ。 『大ちゃん。長い間、何もしてあげられなくてごめんね。』 謝罪の言葉から始まったメールは、たったの一通。 しかしそこには、真友子の抑えた気持ちが痛々しいほどに詰まっている。 『それと、もし何か気に障る事をしてたらごめんね。 でも、今のプロジェクトも明日のプレゼンで山場が終わるから、 明日からはご飯もちゃんと作れると思う。 だから大ちゃんも、無理でないなら帰ってきて。待ってるね。』 はぁ……。 大祐は、声に出した溜息と共に頭を抱えた。 先に謝ってきた彼女は、何一つ悪くはない。 それどころか、そもそも多忙期のシミュレーション中断を断ったのは 大祐の方で、その時に彼女の多忙さを含めて全てを受け止めたいと 豪語したのも彼自身だ。 なのに結果は、子供じみた嫉妬が彼女を何度も謝らせている。
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