18 決意のバレンタイン

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とにかく決心が鈍らない内にとアパートを出た大祐は、まずは駅前へと 足を向けた。 その目的は、クリーニング店と駅前の洋菓子店。 クリーニング店は、もちろん昨日シワだらけにしてしまったスーツと ワイシャツを出すことで、洋菓子店では、イチゴ好きの真友子に ショートケーキを買うため。 だが、決して物で誤魔化すつもりはない。 しかし、やはり手持無沙汰は否めないのも事実。 だからこれは、その穴埋めにと考えた。 「ただいま」 数日ぶりに合鍵で入った玄関で、小さく声をかける。 だが、返事がくるわけもなく室内は、シンと静まり返っている。 大祐は、取り敢えず買ってきたケーキを冷蔵庫に仕舞い、ダイニングに出て行ってちょっと部屋を見回した。 うぅ……。 目の前の光景に、大祐の胸がすごく痛んだ。
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