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とにかく決心が鈍らない内にとアパートを出た大祐は、まずは駅前へと
足を向けた。
その目的は、クリーニング店と駅前の洋菓子店。
クリーニング店は、もちろん昨日シワだらけにしてしまったスーツと
ワイシャツを出すことで、洋菓子店では、イチゴ好きの真友子に
ショートケーキを買うため。
だが、決して物で誤魔化すつもりはない。
しかし、やはり手持無沙汰は否めないのも事実。
だからこれは、その穴埋めにと考えた。
「ただいま」
数日ぶりに合鍵で入った玄関で、小さく声をかける。
だが、返事がくるわけもなく室内は、シンと静まり返っている。
大祐は、取り敢えず買ってきたケーキを冷蔵庫に仕舞い、ダイニングに出て行ってちょっと部屋を見回した。
うぅ……。
目の前の光景に、大祐の胸がすごく痛んだ。
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